がん治療最前線 (その1)

 手術不可能“大腸がん ステージ4” チーム医療の成果

 外科 化学療法科 放射線科 

スペシャリスト達が集結した時、生還の道が開かれる。

 2006年、一人の患者(57才)が一縷の望みを託し、癌研有明病院(東京・江東区)を尋ねた。

しかし、患者のCT画像を見た医師は、その恐るべき腫瘍に戦慄した。
 「とても手術ができる状態ではないよ」

癌研有明病院 消化器外科 大矢雅敏医師

「進行がんで色々な複雑な形での転移がある方の場合、従来の手術ではなかなか治せない」
「おそらく5年生存できる確率は5%以下ということになりますので」

手術数2000件のベテラン医師、大矢の腕をもってしても、患者の腫瘍は容易に摘出出来るものではなかった。

直腸にある腫瘍はおよそ4センチ、さらに腹部動脈への転移が認められた。このまま手術を強行しても取りきれず、
状況を悪化させる恐れがある。
 だが、抗がん剤や放射線に切り替えてもこの腫瘍の脅威を止める事は難しい。この時点では手術は出来ない。

大矢は諦めてはいなかった。可能性を求め同僚医師の元を尋ねた。

 そして、画像を見た抗がん剤専門医は大矢が求めていた言葉を告げた。

「もしかしたら一つ方法があるかもしれませんよ」

癌研有明病院 化学療法科 水沼信之医師 年間500件以上の治療実績を誇る抗がん剤スペシャリスト。

「手術の前に抗がん剤をやる方法で“術前化学療法”という新しい考え方です」
「(化学療法で)7割小さくなれば、今まで取れなかったがんが手術できる」

抗がん剤で腫瘍を叩き手術で息の根を止める。

 手術だけでは、あるいは抗がん剤だけでは見えなかった<生還への道>が遂に開いた。

癌研有明病院で毎週1回開かれる、大腸がんカンファレンス。
がん治療の各スペシャリストが一同に会し、チームとして生還のあらゆる可能性を追求、ベストの治療方針を決定する。

画像診断医 「この画像から判断して、十分やってみる価値はあるんじゃないでしょうか」
放射線科医 「放射線の立場からも賛成です」

 大矢と水沼が提案した患者の治療計画は、この会議の席上全員一致で採択された。

そして患者本人に治療方針が説明された。
 患者 「ワラをもすがる気持ちでそれに賭けていた」

既に一刻の猶予も許されない。抗がん剤投与が行われた。期間は4ヶ月。

 腹部動脈へ転移し、命を脅かすまでに進行した腫瘍に大きな変化が現れていた。
巨大な腫瘍が明らかに小さくなっていたのだ。

そのCT検査の結果を受け、医師達は確信した。

 「これはかなり効いてますね。腫瘍が小さくなってますよ」
 「そうですね。これなら手術ができますよ」

そして、およそ3時間にわたる手術のすえ患者の腫瘍は全て摘出されたのだ。

 それから2年が経った。

患者は定期的に診察を受けているが、がん再発の兆候は全く無い。


■ 放 送 日   2009年2月22日(日)14:00~15:30

■ 放 送 地 域  全国テレビ朝日系列網(24局ネット)

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この記事へのコメント

しんちゃん
2009年02月27日 19:33
正論かもさん、今晩は。人間の知性と勇気もまだまだ捨てたもんじゃないようですね!癌を克服された方の善き人生をお祈りいたします。
正論かも
2009年03月01日 18:21
 しんちゃん さん。今晩は。
知性と勇気ですか。良い言葉ですね。^^
これらの言葉が培養・発揮出来るような社会の基盤が出来たら良いですね。

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