大前研一氏の視点 - 政府の追加経済対策は、あらゆる点でポイントがずれている。

 日本もアメリカも「心理経済学」を理解していない。
政府の追加経済対策は、あらゆる点でポイントがずれている。

米国で100兆円の経済対策を打ち出すというから、日本でも20兆円~30兆円の経済対策をということなのでしょう。

今政府が提案しているような経済対策では全く効果はないと私は確信しています。

 現在、景気が急激に落ち込んでいるのは消費者の心理が「倹約」に傾いているからです。

不況に見舞われると、例えば、車の買い替えを3年から5年に、あるいは5年から7年に、というように車検1回分延ばそうと考える人が多いでしょう。

 また、テレビなどの買い替えにしても、それほど質が悪いわけではないから、買い換えるのは1年~2年待てばいいと考えるでしょう。

 先進国では基本的に耐久消費財はすでに満ち足りています。
ですから、不況時にこれを刺激するには、消費者心理を刺激することが大切です。

 すなわち、リラックスした気持ちになって「お金を使ってもいい」と、消費者が感じられることが重要なのです。
「新しいものが出たから、欲しいね」と安心して思える心理を醸成することです。

 いくら公共事業で光ファイバー網を整備しても、北海道で道路を作っても、全く景気刺激にはならないのです。

 そんなことをしても、消費者は車を買い換えようとは思わないでしょう。

 日本はGDPの約55%を個人消費が支えています。
1500兆円もの個人金融資産がありながら、それがマーケットに出てこないで眠っています。

 まさに、ここに問題があるわけです。
私は何度もこの点について指摘していますが、政府や役人は全く理解していないようです。

 今の方向性でいくら政府が頑張ったところで、国民としては「それはそれでやってくれればいいや、自分はしばらく倹約しておこう」と考えるだけで終わってしまいます。

今回経済対策として打ち出された内容は、あらゆる点においてポイントがずれていると指摘せざるを得ないと思います。

 では、実際に消費者の心理を刺激するためにはどうすれば良いのでしょうか?

それは、例えば「今、車を購入してくれた人には重量税や取得税を免除する」といった対策になると思います。

不況や危機において、消費者は身構えています。
心理をリラックスさせない限り、それを崩すことはできません。

 新しい需要を生み出す発想こそ、今、必要な不況対策なのです。
 政府にはこの点を理解してもらいたいと強く思います。

  <大前研一氏のメルマガより>


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