世の中どうなってんの…?大前さん!!

大前研一 『 ニュースの視点 』  2009/12/11(金) #291 メルマガより全文掲載

日本崩壊の危機?
   ~「結婚してもしなくてもいい70%」の意味を問え!
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 結婚観調査 結婚してもしなくてもいい 70%
 09年度一般会計税収 12兆7254億円
 10月の新設住宅着工戸数 6万7120戸
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 ▼ 価値観の多様化ではなく、あるべき価値観の欠如
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 5日、内閣府が発表した世論調査の結果によると、「結婚は個人の自由だから結婚してもしなくてもどちらでもいい」と答える人が70%にのぼることが分かりました。

 また、「結婚しても必ずしも子供を持つ必要がない」との問いには42.8%が賛成と答え、平成4年の調査開始以来、過去最高となりました。

 一般の新聞紙面上でも取り上げられていたニュースですが、その論調は少し能天気過ぎると私は感じました。

 これまでも出生率の低下に関連するニュースは度々報道されていましたが、「結婚はしてもしなくてもいい」という回答が70%を占めるという今回の結果は衝撃的です。

 私は世界の様々な国を見てきましたが、こんな国は見たことがありません。
「価値観の多様化」というような表現で片付けられる問題ではないと思います。


 これは、親・学校を通じた日本の教育の結果です。
家族・人類を維持していくためにはどういうことが必要なのか、家族の愛情はどれほど重要なものなのか、という「価値観」について日本は教育できていないということだと思います。

 このままでは、日本は「国家」を形成できなくなる危険性すら感じます。

 かつて魯迅は日本を訪れた際の感想として、「中国人は砂のようにサラサラしているのに対して、日本人は米のようだ」という趣旨のことを記録として残しています。

 当時の日本人という民族は、「非常に人と人の結びつきが強かった」ということでしょうが、残念ながら今の日本人にその面影はありません。

 おそらく世界の国で同じような調査を行ったとしても、この日本の数字の半分にも届かない結果になると私は想像します。

 唯一、日本に近い結果が出る可能性があるのは韓国ですが、それでも日本には遠く及ばないでしょう。

 今回の結果は常識では考えられないレベルの数字であり、国家は将来についての危険性を真剣に感じ取るべきだと思います。

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 ▼ 国家財政の立場から見ても、日本は危険
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 男女の結婚観に負けず劣らず、異常な数字・推移を見せているのが国家財政です。

1日、財務省が発表した10月末の税収実績によると、10月までの一般会計税収の類型は12兆7254億円で前年同期比21.8%減少したことが分かりました。

※「一般会計予算額と税収の推移」チャートを見る
  → http://vil.forcast.jp/c/ampAag4Nb88bayab

 2000年度には約50兆円あった税収は、2009年度はついに37兆円にまで下落する見込みとなっています。
さらには法人税収の推移を見ると、ついには還付が税収を超過しているという始末です。

 そしてこのような追い込まれた状況にあって、政府・民主党が掲げる施策と言えば「国債で穴埋め」というだけです。

 財政問題についても、先に見た男女の結婚観と同様、日本が将来国家としての体裁を保てなくなる可能性がある、と私は感じています。

※「法人税収の推移」チャートを見る
  → http://vil.forcast.jp/c/ampAag4Nb88bayac

 国土交通省が30日発表した10月の新設住宅着工戸数が、前年比27.1%減の6万7120戸となり11カ月連続で減少したとのことです。

 直接の因果関係があるわけではありませんが、そもそも「家庭を持とう」という人が激減しているわけですから、これも当たり前の結果だとも言えるでしょう。

 短期的には対前年比で上がった時期はありましたが、総じて新設住宅着工件数はここ数年ジリ貧状態が続いています。

 それに対して政府は、省エネ対応型住宅の新築や改築を行った場合に商品やサービスと交換できる「住宅版エコポイント」制度の導入を検討しています。

 エコポイントというインセンティブがつくことで少々の効果はあるかも知れませんが、一時的なものに過ぎないことが懸念されます。

 日本人の結婚観の変化を単なる「価値観の多様化」で片付けることなく、国家としての危機という認識を持ってもらいたいと私は強く思います。

 今、日本は国民の価値観にしても国家財政にしても、土台そのものが揺らぎつつある状況です。

 対処療法は時には必要ですが、本質的な問題を見極め、長期的に解決に向けて取り組み始めることが重要です。

 日本が国家を形成できなくなるような最悪の事態に陥らないことを願っています。
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  この大前研一のメッセージは、12月6日にBBT757chで放映された
  大前研一ライブの内容を抜粋・編集し、本メールマガジン向けに
  再構成しております。
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